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タイを訪れた中国人旅行者、10月は前年同月比13.6%減

(仏暦2569年)4分で読めます

10月にタイを訪れた中国人旅行者は30万8,942人で、前年同月より13.6%減ったと報じられています。在タイ中国大使館は10月16日、タイへ旅行する自国民に安全への備えを強めるよう呼びかけました。減った理由について、業界関係者は、連休明けのいつもの落ち込みと、安全への懸念の両方を挙げています。

この記事のポイント

  • 10月の中国人旅行者は30万8,942人、前年同月比13.6%減
  • 在タイ中国大使館が10月16日、自国民に安全面の注意喚起
  • 1〜10月の累計は前年同期比12.4%増で、中国が最大の市場に

タイ語メディアのTHE STANDARDによると、10月にタイを訪れた中国人旅行者は30万8,942人で、前年の同じ時期より13.6%少なくなりました。THE STANDARDは、South China Morning Post(SCMP)の報道と、タイ国政府観光庁(TAT)のデータをもとに伝えています。

週ごとの数字では前の週より24%減

月ごとの数字とは別に、週ごとの数字も出ています。Nation Thailandによると、観光・スポーツ省の数字では、10月18〜24日の1週間にタイを訪れた中国人旅行者は4万9,494人で、その前の週より24.17%(約24%)減りました。こちらは「1週間の数字を前の週と比べたもの」で、上の13.6%(10月の1か月を前年同月と比べたもの)とは期間も比べる相手も違います。

Skiftは、タイホテル協会の会長の話として、中国人の1日あたりの到着数が、中国の国慶節の大型連休中の約1万5,000人から、その後は約9,000人に減ったと伝えています。THE STANDARDによると、この連休は10月1日から7日間です。

中国大使館が10月16日に注意喚起

在タイ中国大使館は10月16日、タイへ旅行する中国の国民に向けて、安全への備えを強めるよう呼びかけました。注意喚起では、中国人が行方不明になったり、不法に拘束されたり、だまされてタイとミャンマーの国境の方へ連れて行かれたりした最近の事例を挙げています。そのうえで、うその求人や、事業・投資のうその誘いに気を付けるよう警告しました。

THE STANDARDは、注意喚起の背景として、タイで中国人が誘拐される事件が何度も起きたことを挙げています。その多くには、うその仕事の話でだます人身売買の組織が関わっていたと伝えています。2025年1月には、中国人俳優がタイ・ミャンマー国境を越えて連れ去られる事件もありました。

減った理由についての見方

Skiftによると、週ごとの減少について、タイ当局は「祝日のあとの季節的な動き」と「中国大使館の注意喚起のあとに安心感が弱まったこと」の両方を理由に挙げています。

シンガポールの観光マーケティング技術会社China Trading Deskのスブラマニア・バット(Subramania Bhatt)最高経営責任者も、THE STANDARDによると、減少はゴールデンウィーク(国慶節の連休)のあとのいつもの落ち込みによるもので、旅行者の安全について懸念が再び高まった面もあるという見方を示しました。また、団体旅行の客がタイへの旅行を最も取りやめやすい層だと話しています。

団体旅行は「春節に最大50%減」のおそれ

タイ旅行業協会(ATTA)によると、中国人の団体旅行の市場は、前年の同じ時期より30%を超えて低くなっています。2027年の春節(旧正月)の休みには、最大で50%減るおそれがあるとしています。これは団体旅行の市場についての数字で、上の13.6%や24%のような旅行者全体の数とは別のものです。

ATTAのターナポン・チーワラッタナポン(Thanapol Cheewarattanaporn)会長は、Nation Thailandによると「タイ政府に、中国大使と至急連絡を取るよう求める」と述べました。「すぐに動かず事業者が苦しいままなら、タイ経済が打撃を受ける」とも話し、パタヤの中国人観光の市場を「昏睡状態」と表現しました。

タイ政府と観光庁の対応

シーハサック・プアンケットケーオ(Sihasak Phuangketkeow)副首相兼外相は10月27日、首相府で「注意喚起を出すだけでは問題は解決しない」と述べました。「どの集団が関わっているのか、人々がどのようにだまされているのか、組織の背後に誰がいるのかを突き止める必要がある」とも話しています。Nation Thailandによると、この時点ではまだ中国大使と注意喚起について話しておらず、協力を求めて話し合う予定だとしました。また、事件は犯罪組織に狙われた人たちに関わるもので、普通の観光とは分けて考えるべきだという趣旨の考えも示したと報じられています。

THE STANDARDによると、TATはメールでの回答で、中国市場からの信頼を取り戻し、需要を呼び起こすことに力を入れると答えました。方法として、安全についての情報を積極的に発信すること、選び抜いた旅行体験を用意すること、中国のメディアと協力することを挙げています。

1〜10月の累計は前年より増加

一方、年初からの累計では増えています。THE STANDARDによると、今年1〜10月にタイを訪れた中国人旅行者は424万4,376人で、前年同期より12.4%多くなりました。Skiftも、中国がタイにとって最大の送り出し国に戻ったと伝えています。

THE STANDARDによると、タイを訪れた中国人旅行者は、2024年の673万人から2025年は447万人に減っていました。

外国人旅行者全体では、Nation Thailandによると、1月1日〜10月24日の外国人旅行者は2,493万人で、前年同期より4.43%減っています。

出典

  1. THE STANDARD(タイ語)thestandard.co・2026年11月7日(新しいタブで開きます)
  2. Skift(英語)skift.com・2026年11月2日(新しいタブで開きます)
  3. Nation Thailand(英語)nationthailand.com・2026年10月28日(新しいタブで開きます)

この記事は、複数の報道や公的機関の発表をもとに事実を確認し、編集部が日本語で書き直したものです。編集方針